たのしい世界

昔から、面白い、楽しいと感じたときにはゲラゲラと笑う子どもだった。自分と二歳下の妹に与えられるおもちゃは少ないわけではなかったけど、欲しいものをすべて貰えるわけでもなく、時には、楽しむものを自分たちで作ったりしていた。

 

妹と自分の遊びの世界では、二人だけでは寂しいので、ぬいぐるみたちを仲間に入れて一緒に遊ぶ。自分がぬいぐるみを動かして妹(または妹の仲間)に話しかけると、妹も同じように反応してくれる。ただ、遊び世界の基本設定を作るのは主に自分で、その中で妹にも楽しんでほしいという気持ちがあったような気がする。

ぬいぐるみ遊び以外にも、たとえばトランプやUNO、手遊びを二人で楽しむにはどうすればいいか、ルールを色々考えて遊んだ。マリオカートボンバーマンも二人だけで普通のルールで遊ぶのには飽きたら、さらに勝手に変なミッションを課して二人で遊んだ。

f:id:qblankx:20220306100428j:plain

妹は動物がすきで、幼稚園の頃から犬を飼いたがっていた。だけど当時住んでいたマンションではペットを飼えなかったので、特に犬のぬいぐるみを集めては遊んでいた。集まった犬は大小あわせて40匹くらいいたかもしれない。

わが家の犬のぬいぐるみは「ワンワン保育園」に即入園させられる。「ワンワン保育園」というのは、自分と妹がつくった犬の保育園で、全員に学年や出席番号を割り当て、住んでいる家を示した地図を作ったりしていた。この犬たちのキャラクター設定も、ほとんど自分が考えては妹に教えていた。40匹近くの犬を演じ分けて、妹を笑わせたり困らせたりするのが、本当に楽しかったんだなと今になって思う。

 

f:id:qblankx:20180102092622j:plain

 

こんな風に独自の設定を考えたり、何十ものキャラクターを演じて相手を楽しませたりするというのは、今の自分がゲラゲラと楽しんでいるビスケットブラザーズの二人の掛け合いとかなり似ていて、そこに気づくと何故ビスブラをこんなにも楽しめているのかということにも合点がいく。

それから、前の記事でも原田さんについて

「自分もこんな人になりたい、みたいな謎のリスペクトさえ抱き始めている。」

と書いたが、それはかつての自分が妹に対して奮闘していたあれこれを真剣に、プロとしてやってのけている原田さんに対しての憧れの現れなのかもしれない。